2年ほど前から、月面で有人探査を行うときの、居住棟、与圧ローバ、EVAなどの生命維持システムの運用法について検討しています。

月面拠点から数百キロ離れた場所に与圧ローバで遠征し、不測の事態にも対応できるように、生命維持に必要な物質を供給するロジスティクス(物資供給装置)の運用法を開発しました。

今までは、2次元の平面上の問題で、本手法の検討をしていたのですが、実際の月面の地形を用いて検討をしてみることにしました。

作成したものは月面南極域 緯度-85deg~-90deg の地図

利用したデータは、JAXA 月周回衛星かぐや の南極の1/64度グリッド高度データLALT_SP.txt

高度な専用ソフトを利用しないでExcelでグラフ化できるように
(上記のような解像度のデータでは、Excelではグラフが描けません)
まず、経度、緯度、高度のデータを、xyzの座標系に変換し、
2km x 2km の範囲の平均高度を計算、これを2次元配列に格納するプログラムを作成しました。

テキストファイルに出力したこのデータを
Excel を利用した地理情報システム(GIS)の方法 千葉県立小金高等学校 小林岳人 を参考にグラフ化しました。それが下記のグラフになります。このグラフの高度方向(Z)の長さは20倍くらい拡大されていますので、実際の高低差はこのイメージとは異なります。

southpole_map200-2.png
緯度-85deg~-90deg、経度-90deg~90deg

手前が南極、奥が地球方向、横に300km、奥行150kmぐらいです。平面になっているところは、今回の作図範囲外(-85deg以上)です。2つの山
Malapert(左)
Coordinates: 84.9°S 12.9°E

Leibniz beta (右)
Coordinates: 84°S 30°E
が確認できます。

次に、同じデータを用いて、Excel2010の条件付き書式設定により高度差がわかるようにしました。
先ほどと同じ場所の地形図です。
オレンジのひし形が、Shackleton (crater) 89.9°S 0.0°Eにある月面拠点です。
青い部分が低地、赤い部分が高地です。
sp_map200.png

Excel2010条件付き書式設定による月面南極域地図(緯度-85deg~-90deg、経度-90deg~90deg)


データ処理と作図に一晩かかりましたが、次は本題の月面有人ローバと生命維持システムの運用について検討します。

論文の締め切り3月22日まで1か月を切りました。

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