火星砂漠研究基地MDRSでの風船による地形空撮は、Team Nippon (Crew165)の実験テーマの1つです。私は日本での支援担当です。2015-2016年度は、ドローンの使用が禁止になったので、風船を利用した模擬火星地形の観測について検討しました。ローバの運用と上空からの運用支援検討のための予備実験です。

20160129-4.png
火星気球と火星ローバの連携運用概念図
30メートル上空ぐらいから小さな丘の向こう側の地形を事前に観測することを目標にしています。今回の実験では、模擬地形作成のために上空から写真を撮ること、および表面の状態を観測することを目的にしています。

以下は、小中学生の理科実験程度の計算です。

1.風船による浮力の計算

0℃、1 atmのとき密度は
 ヘリウムガス 0.1786 g/L
 空気 1.293 g/L

 差(浮力) 1.1144 g/L

直径28cmの風船の体積 V=4/3 x 3.14 x 14^3 = 11488 (cm3) 約11.5 L
ただし、ボンベの中のヘリウムガスは9.5Lなので、浮力は1.1144 g/L x 9.5 L = 10.5 (g)

 風船と取り付け部分(糸や袋)の質量 4 (g)
 おもり用の妖怪メダル1枚 4 (g)

実験では妖怪メダルを入れない場合には浮き上がりましたが、1個入れた場合には浮き上がりませんでした。
全体質量8(g)  <  浮力10.5(g)のはずだが  (充てん時に少しヘリウムガスが漏れた・・・)

20160129-3.jpg
妖怪メダル なし 天井へ

20160129-2.jpg
妖怪メダル 1枚(4g) 床へ落ちた

2.カメラの搭載について
仮に100g程度(GoPro HERO4 Session, 74g)の小型カメラを上空に上げたいと思った場合、100(L)ぐらいのヘリウムガスを充てんする必要があります。そのとき直径60cmぐらいの風船が必要になります。

大型風船を日本国内で購入し、事前に大容量のヘリウム缶を米国内で調達する必要があることが分かりました。MDRSの半径250km以内に大きな都市はありません。中継基地のコロラド州グランドジャンクションで購入可能かどうか調査する必要があります。


つづく
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