さて、私が一番興味があったのは第三部です。

このシンポジウムの前日、3月6日には以下のようなニュースが流れています。
政府の宇宙開発戦略本部は六日、今後の宇宙政策を検討する専門家会合で、将来の有人宇宙開発計画の素案を示した。当面は月に重点を置き、二〇二〇年ごろにロボットによる探査を実施したうえで、二五-三〇年ごろに本格的な有人月面探査に移行するとしている。 (2009. 3. 7日経新聞) 

この第三部は、ちょうど良いタイミングで行われたといえます。


宇宙と人間 有人宇宙活動の未来
司会   :高柳雄一 多摩六都科学館館長
パネリスト:松本紘 京都大学総長
      土井隆雄 JAXA宇宙飛行士
      的川泰宣 JAXA技術参与

私のメモをもとに簡単にまとめると以下のようになります。

(松)
生存圏の拡大のために有人宇宙活動が必要。

(的)
1.今年は記念すべき年、ガリレオ400年、アポロ40年、ダーウィン生誕200年(種の起源150年)
2.有人の基礎は無人にある。米国はアポロのときに無人探査がものすごく発達している。
3.はやぶさ、ひので、かぐやはサイエンスの表紙を飾った。宇宙理学と宇宙工学の融合、全国の大学と研究所の共同という形で進めてきた。有人宇宙活動でもこの形は大事である。
4.今後の宇宙開発で自分の国で輸送機を持つのは大事。いま自前の輸送機を持つ米ロには大きな発言権がある。
5.家庭、地域、学校を結ぶ宇宙教育が大事である。

(土)
1.輸送系が大事。日本版有人ロケットを作ろう。 宇宙ステーションが家ならロケットは土台である。
2.航空宇宙技術と海洋技術の融合 米国は飛行機の発想で宇宙船を作っているが、ロシアは潜水艦の発想で宇宙船を作っている。日本にもすばらしい海洋技術があるではないか。

その後、議論に入り、
(土)米国型の宇宙開発はお金がかかるが、ロシアはそんなにお金をかけていない。日本の目指す方向はこの中間のどこかにあるのではないか。
(的)米国は、宇宙開発が票につながるが、日本では票につながらない。ある文教部会で政治家に宇宙教育が盛んな都市をみせたら、急に関心を示した。
(高)新聞記事などを見ていると、有人月面開発は一般の中に普通に入ってきているが、今後の日本の計画の中には入っていくのか。

など、

独自の有人計画を持たないとする今までの方針や雰囲気とはちょっと違った方向も今後はありえるのかなと思いました。

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