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5月31日に 有人火星探査 ISS活用 2030年以降実現へ検討着手
「文部科学省は30日、2030年以降の有人火星探査に向けた国際協力の進め方の検討を始めた」
など、マスコミ各社の報道がありました。
本当に?と思い 6月13日 文部科学省で行われた 国際宇宙ステーション・国際宇宙探査小委員会(第4回)を傍聴しました。

議題
(1)我が国のISS計画への今後の参加の在り方について
(2)我が国の国際宇宙探査への取り組み方について
(3)その他

資料4-1-1 これからの「きぼう」利用の進め方
資料4-1-2 ISS計画への参加に関する費用対効果
資料4-1-3 ISSにおけるロシアに依存する機能について
資料4-1-4 国際協力・安全保障・外交上の観点から見たISSの意味について
資料4-2  我が国の国際宇宙探査への参加シナリオ(案)

机上配布資料
資料3-1-1 「きぼう」の今後の利用方針・計画について(要約版)
資料3-1-2 「きぼう」の今後の利用方針・計画について
参考配布 米国科学アカデミー報告書「Pathways to Exploration」の概要

10時会議開始
 冒頭、主査(前駐米大使)より、机上に配布されている米国科学アカデミー報告書「Pathways to Exploration」についても話をしたという説明がありました。(結局、時間切れでそこまで到達せず)

 前回の会議を傍聴していないので、どのような議論があったのかはよくわかりませんが、今回は、120分のうち90分を(1)のISS関連の意見交換に費やしていました。
 ・ISS計画への参加に関する費用対効果が見えにくい。
 ・「きぼう」を利用した産業競争力強化につながる成果獲得をどのようにできるか。などです。
 ・運営費400百億円弱に対して、その成果は何か?
 ・これに対して、この経費のうち250億円はHTVの打ち上げ費用で、実際の費用は、「きぼう運営費と利用費のみではないか」という意見もありました。(資料4-1-2の1ページ参照)
 ・なかには、個別のコスト議論をしてもしょうがない、全体像を示す必要がある、という意見もありました。

 科学技術振興機構のG-TeC報告書「世界の技術力比較(2013年)」から引用した世界の宇宙技術力比較(2013)という資料も配布されていました。点数化されていて、順位は
 全分野 1位米国、2位欧州、3位ロシア、4位日本、5位中国
 有人活動分野 1位米国、2位ロシア、3位中国、4位欧州と日本
 ・当然、宇宙技術力全分野でも中国が4位ではないかという意見が複数の委員からありました。
 ・米国ヒュートロン社の調査では、すでに中国が4位になっているという意見もありました。

 会議が始まって90分が過ぎた11時半ごろ、国際宇宙探査の話に変わりました。
ISECGの国際宇宙探査ロードマップについてJAXAから説明があり、先進国グループはあまりやっていない、月着陸技術を日本(JAXA)は先行してやるという説明の後、
 ・ISS(有人宇宙活動)との関係は?
 ・本当は有人宇宙活動をやりたいではなく、月着陸を言い出す理由は?
 ・(月面探査に興味を持っている)中国やロシアとの協力はどのように考えているのか?
 (無人探査技術の先に有人探査技術があるという認識にない)複数の委員の方から、かなり変な質問が出ていました。
 (説明者や実務を知る人は、ものすごくフラストレーションがたまるかも?)

最初に主査が話題にした 米国科学アカデミー報告書 まで到達せず、この会は終了。

 会議後、
第3回の会議後の報道は、日本有人火星探査へ・・・・ でしたが、
第4回後の明日の新聞は、JAXA月面着陸表明、かな・・・
と冗談がどこからか聞こえてきました。5月31日の報道がいかに正確ではないかを示唆している、前回も今回も会場にいたどなたかの意見です。


米国科学アカデミーに登録し、「Pathways to Exploration – Rationales and Approaches for a U.S. Program of Human Space Exploration」をダウンロードし、少しだけ目を通しました。

報告書では、急速に力をつけている中国とのパートナシップ構築の可能性についても言及しています。
じっくり読んだ、報告はいずれ・・・


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