12月頃に読んだ本を紹介します。
この書籍、中村修二さんのファンの記者が書いた記事が再構成されてまとめられています。記者自身、偏りがあるかもしれないと言っています。だから面白い?

記事の中で、私が今まで知らなかったことは、
「中村修二さん自身は、青色LEDが開発ができるとは思っていなかった。開発するつもりもなかった。」
「いいデータが取れれば、(青色LEDは開発できなくても)論文ぐらいは書けるかな」程度ぐらいにしか最初は思っていなかったことです。
じゃ、なぜ約3年という短期間で開発できたのか?
それまでの仕事で蓄積してきた自分で装置を開発するという経験や、(本人も言っているように)怒りが大きな役割を果たしたと書かれています。詳細は・・・

中村修二劇場中村修二劇場
(2014/11/18)
日経BP社 特別編集班

商品詳細を見る



次は昨年の10月頃に読んだ書籍です。
NASAには全米に研究センターが複数あります。各センターにはもともとの設立理由や設立母体があり、お互いは競争相手で、長年、同じ分野で予算を取り合ってきた様子がわかります。

有人宇宙分野でも、私は長年不思議に思ってきたことがあります。
例えば、国際宇宙ステーション計画では複数のセンターが開発を分担していますが、そのようになった経緯が、150ページから「政治化したセンター間の業務分担」の前後を読めばわかります。

また、63ページ「月着陸方式-3つの候補」では、直接上昇方式、地球軌道ランデブー(EOR)、月軌道ランデブー(LOR)の3つの方式があり、EORより効率的だがリスクの高いLOR方式になるまでの経緯が書かれています。
(LORでは月周回軌道に宇宙船の一部をとどめることにより燃料を節約でき、サターンV1回の打ち上げで実施できるという利点がある)

他にも面白い具体例がたくさんありますので、続きは・・・

NASA ―宇宙開発の60年 (中公新書)NASA ―宇宙開発の60年 (中公新書)
(2014/06/24)
佐藤 靖

商品詳細を見る


 
2013年春に、スペースコロニー内の大気循環解析をしようと数値流体力学を勉強していました。
基礎方程式を作り、差分化するところで壁にぶち当たり、試行錯誤してみたけれども
その時C++で作成したプログラムでは満足いく精度を得るところまでは行きませんでした。

その後、留学のため一時中断、最近再開しようと思っていたら、計測と制御Vol.53(計測自動制御学会)の書評欄で以下の本を見つけました。Excelで解析した例題がたくさんあって基礎的な勉強にはなると思いました。

エクセルとマウスでできる熱流体のシミュレーション 第2版(CD-ROM付)エクセルとマウスでできる熱流体のシミュレーション 第2版(CD-ROM付)
(2010/07/30)
平澤 茂樹、大村 高弘 他

商品詳細を見る


上記の著者が、Excelで熱流体解析を始めるきっかけになった書籍が、以下のものだそうです。こちらも早速買って読んでみました。

Excelで学ぶ流体力学Excelで学ぶ流体力学
(2007/05)
森下 悦生

商品詳細を見る


結局、3次元、円筒座標系、巨大な構造物、現象を再現したい時間も長い、などの特徴を考えると、やはりExcelでは無理だという結論に達し、現在は、フリーソフトのOpenFoamで簡単なモデルを作り練習をしています。

 
書店でたまたま見つけました。
イーロン・マスクが火星に移住するという目標をもっているため、このようなタイトルにしたのでしょうが、火星のことは何も書いてありませんが、
序章「地球と人類の未来、その鍵を握る男」、第1章「「異端の経営者」の誕生」のスペースXを起業するまでの、彼の生い立ちに関する記述が面白いと思いました。

3度の失敗、1億ドルを費やし、6年でロケット打ち上げを成功させた第2章も面白そうです。
安く打ち上げできる、大型のロケットがないと火星にはいけません。

イーロン・マスクの挑戦 ~人類を火星に移住させる (別冊宝島 2232)イーロン・マスクの挑戦 ~人類を火星に移住させる (別冊宝島 2232)
(2014/08/08)
竹内 一正

商品詳細を見る


 
宇宙飛行士に関して、今までに読んでおもしろかった文献を紹介します。

宇宙飛行士の採用基準 例えばリーダーシップは「測れる」のか (角川oneテーマ21)宇宙飛行士の採用基準 例えばリーダーシップは「測れる」のか (角川oneテーマ21)
(2014/07/09)
山口 孝夫

商品詳細を見る

この本、ヒューストンに向かう飛行機の中で読みました。
宇宙へ2人送る場合、夫婦が適当かどうかという記述は参考になりました。
インスピレーションマーズは、男女二人を火星フライバイミッションに送ることを目標にしています。



Prepare for Launch: The Astronaut Training Process (Springer Praxis Books / Space Exploration)Prepare for Launch: The Astronaut Training Process (Springer Praxis Books / Space Exploration)
(2010/04)
Erik Seedhouse

商品詳細を見る


宇宙飛行士の仕事力 (日経プレミアシリーズ)宇宙飛行士の仕事力 (日経プレミアシリーズ)
(2014/03/08)
林 公代

商品詳細を見る


ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)
(2011/08/05)
大鐘 良一、小原 健右 他

商品詳細を見る


宇宙飛行士の育て方宇宙飛行士の育て方
(2010/10/09)
林 公代

商品詳細を見る


 
2014年2月17日 慶應義塾大学SDM研究科で「エンジニアリングシステムズ」日本語版出版記念シンポジウムが開催されました。

この本は、Engineering Systems, MIT Press の 翻訳をSDMの教員で行い慶應大学出版会から2月23日に出版されるものです。今日は著者de Weck 教授の講演があり参加しました。(日本語版が出版されることは昨年11月に訪問した時にMITの学生から聞いていました)

非常にわかりやすい英語で、各章ごとに興味深い図を示しながらの講演は大変満足いくものでした。
実は、米国滞在中に、原著を買いましたが熟読はしていませんでした。講演を聞いて読みたくなりました。
古いシステム工学とは違った、新しいシステムのとらえ方について多くの事例を用いながら論じています。

シンポ終了後の懇親会にも参加しました。
事前にメールで連絡をしておいたのですが、主役のde Weck先生とはきちんと話ができませんでした。
その代りに、SDM初代委員長の狼先生に、この研究科を立ち上げたときの話を伺いました。(学生時代に先生の講義を受講して以来20年ぶりぐらいに話をしました。)
また、MIT訪問時お世話になった学生や、MITに交換留学していた学生、共同でプロジェクトを進めているSDMの学生とも話ができて充実した日でした。

20140217-1.jpg

20140217-2.jpg


エンジニアリングシステムズ:複雑な技術社会において人間のニーズを満たす (Engineering Systems)エンジニアリングシステムズ:複雑な技術社会において人間のニーズを満たす (Engineering Systems)
(2014/02/23)
オリヴィエ・L・デ・ヴェック、ダニエル・ルース 他

商品詳細を見る



Engineering Systems: Meeting Human Needs in a Complex Technological WorldEngineering Systems: Meeting Human Needs in a Complex Technological World
(2011/10/21)
Olivier L. de Weck、Daniel Roos 他

商品詳細を見る



            記
日時 2月17日(月)13:00~18:00
会場 慶應義塾大学日吉キャンパス協生館CDF教室

タイムスケジュール
 13:00-13:15 ご挨拶 前野隆司(SDM研究科委員長・教授)
 13:15-13:30 『エンジニアリングシステムズ』日本語版出版 春山真一郎(SDM研究科教授)
 13:30-14:30  "Engineering Systems" Prof. Olivier de Weck, MIT
 14:30-14:45 休憩
 14:45-15:15 「新産業創造のためのビジネス・ガバメント・リレーションズ」 岩本 隆 慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授
 15:15-15:45 ジャーナリスト 野中 ともよ 氏
 15:45-15:50 休憩
 15:50-16:40 パネルディスカッション
 16:45-17:00 de Weck先生 著書サイン会
 17:00-18:00 懇親会

 
私がMDRSの居住実験Crew132に参加していたとき、メンバーの一人が読んでいた書籍を紹介します。
居住実験に参加するようなメンバーの中には、将来はNASAの宇宙飛行士になりたいと考えている人もいます。
普段、このような本を読んでいるんですね。

Erick Seedhouse, PREPARE FOR LAUNCH: The Astronaut Training Process, Springer

NASAの宇宙飛行士の選抜、トレーニングについて打ち上げに至るまで書かれています。
Ares I, Ares V, Orion, Altairなど比較的最近のロケット、宇宙船の話題にも触れています。

Prepare for Launch: The Astronaut Training Process (Springer Praxis Books / Space Exploration)Prepare for Launch: The Astronaut Training Process (Springer Praxis Books / Space Exploration)
(2010/04)
Erik Seedhouse

商品詳細を見る


 
スペースコロニーの内部環境シミュレーションツール

sc.png 


検討結果の一例についてはこちらをご覧ください。

デスクトップ上の動きをフラッシュ動画にするソフトウエアWinkを利用して動画を作成してみました。

開放型シリンダースペースコロニーの内部CO2濃度の変化をシミュレーションした結果がこちらです。
6フレーム/分で48時間の変化を20秒の動画にしています。そのためすべての計算結果が反映されているわけではありません。

[参考文献]
最初に基本的な勉強をしたのが以下の書籍です。
パソコン・シミュレーション スペースコロニーの世界 (目で視る相対論)パソコン・シミュレーション スペースコロニーの世界 (目で視る相対論)
(2000/12)
福江 純

商品詳細を見る


気象予報士の試験勉強でもよく使われるテキストですが、気象についてはこちらを参考にしました。
一般気象学一般気象学
(1999/04)
小倉 義光

商品詳細を見る


セルオートマトンを利用して簡易計算をするときに利用したのが次のテキストです。
セルオートマトン―複雑系の具象化セルオートマトン―複雑系の具象化
(2003/04)
森下 信

商品詳細を見る


セルオートマトン法―複雑系の自己組織化と超並列処理セルオートマトン法―複雑系の自己組織化と超並列処理
(1998/11)
加藤 恭義、築山 洋 他

商品詳細を見る


有限体積法を勉強しようと購入したのが以下のテキストです。
数値流体力学 (インテリジェント・エンジニアリング・シリーズ)数値流体力学 (インテリジェント・エンジニアリング・シリーズ)
(1997/04)
越塚 誠一、矢川 元基 他

商品詳細を見る


有限体積法のMAC法、SIMPLE法についての理論だけではなく、プログラムのダウンロードも可能です。
流れの数値計算と可視化  第3版  SIMPLE法とMAC法による熱流体解析 Tecplot ダウンロードライセンス付流れの数値計算と可視化  第3版  SIMPLE法とMAC法による熱流体解析 Tecplot ダウンロードライセンス付
(2011/12/01)
平野 博之

商品詳細を見る



内容が古いという記述がAmazonにはありましたが、SIMPLE法といえば、やはりこの文献だと思います。この分野の多くの研究者が引用しています。
コンピュータによる 熱移動と流れの数値解析コンピュータによる 熱移動と流れの数値解析
(1985/02)
スハス V.パタンカー、水谷 幸夫 他

商品詳細を見る
 
電子書籍版 生態工学ハンドブックVol.1が発刊されました。
以下の電子書籍の特別付録(Biophilia Extra)となっています。
すべての章が揃う2013年末には書籍としても丸善から出版予定です。

BIOPHILIA 電子版第4号 (2013年1月・冬号) 超高齢時代を快適に生きるための養生訓/医工学を知る-"ものづくり"推進編

Biophilia Extra
Vol.1 宇宙と閉鎖生態系・生態工学

1. 有人宇宙活動の将来展望 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 桜井 誠人、木部 勢至朗
2. 生命維持システムの現状 -国際宇宙ステーションを中心にして- 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 大西 充
3. 宇宙服技術 -最小の環境制御システム- 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 青木 伊知郎、山方 健士、木部 勢至朗
4. 宇宙居住と物質循環 -閉鎖生態系の実現- 東京女学館大学 宮嶋 宏行
5. 閉鎖型生態系実験施設を用いた閉鎖居住実験 ─食料自給および物質(空気・水・廃棄物)循環、ならびにトラブルシューティング─ 公益財団法人 環境科学技術研究所 多胡 靖宏
6. 宇宙食と食物栄養 名古屋女子大学 片山 直美
7. 宇宙での食料生産 山下 雅道
8. 生物に対する放射線の影響 社団法人 畜産技術協会 村松 晉
9. 宇宙飛行士と放射線 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 向井 千秋



 
次の論文が掲載されました。
総合論文は、1980年代以降の日本の生命維持技術研究を調査し、米国と比較しながらまとめたものです。
原著論文は、過去3年間行なってきた研究をまとめたものです。月周回衛星かぐやのレーザ高度計データをもとに地形の影響を考慮して、有人月面探査でのロジスティクスと生命維持システムの運用について検討しました。


Eco-Engineering 第25巻 第1号   2013年1月


総合論文

有人宇宙活動に向けた生命維持システム技術開発に関する調査研究
宮嶋宏行

原著論文

月面移動探査のための分散型生命維持システムの運用(第1 報):
ロジスティクスネットワークの定式化と運用法の開発
宮嶋宏行

月面移動探査のための分散型生命維持システムの運用(第2 報):
地形図を利用した月南極域での広域有人探査の検討
宮嶋宏行


 
研究の初期段階で
本格的なプログラムを組む前に簡単な検討を行ってみたいとき
ExcelとExcel VBAをよく利用します。
探してみたところ以下のような本が見つかりました。
ラグランジュポイントにおける物体の運動の計算例まであります。


Excelで操る! ここまでできる科学技術計算Excelで操る! ここまでできる科学技術計算
(2009/09/30)
神足 史人

商品詳細を見る



他にも

新 Excelコンピュータシミュレーション -数学モデルを作って楽しく学ぼう-新 Excelコンピュータシミュレーション -数学モデルを作って楽しく学ぼう-
(2010/03/12)
三井 和男

商品詳細を見る


Excelで学ぶ経営科学入門シリーズ〈4〉シミュレーションExcelで学ぶ経営科学入門シリーズ〈4〉シミュレーション
(2000/07)
荒木 勉、栗原 和夫 他

商品詳細を見る



Excelで学ぶ基礎物理学 −Excel2010/2007対応版−Excelで学ぶ基礎物理学 −Excel2010/2007対応版−
(2010/07/03)
山本 将史

商品詳細を見る


Excelによるシステム最適化Excelによるシステム最適化
(2001/05)
大野 勝久、伊藤 崇博 他

商品詳細を見る


Excelで学ぶ遺伝的アルゴリズムExcelで学ぶ遺伝的アルゴリズム
(2005/11)
伊庭 斉志

商品詳細を見る


Excelによる統計入門―Excel2007対応版Excelによる統計入門―Excel2007対応版
(2007/10)
縄田 和満

商品詳細を見る


Excelで学ぶAHP入門―問題解決のための階層分析法Excelで学ぶAHP入門―問題解決のための階層分析法
(2005/09)
高萩 栄一郎、中島 信之 他

商品詳細を見る


Excelで学ぶテキストマイニング入門Excelで学ぶテキストマイニング入門
(2002/10)
林 俊克

商品詳細を見る


 
第39回国際環境システム会議(ICES2009)報告
― 有人宇宙システム開発と大学教育・研究 ―

2010年2月,日本航空宇宙学会誌,58巻,673号,56-58頁
国際環境システム会議(ICES)の過去10年間の動向とあわせてICES2009の報告をおこなった.過去10年間のセッションの変化を見ると,次期有人宇宙探査を意識した宇宙船,月面着陸機,月面拠点,与圧ローバーを取り上げたセッションが2006年以降現れ,閉鎖型生態系生命維持システムや先端生命維持システムに関する地上実験施設,食糧生産に関するセッションがなくなり,微小重力関連セッションがライフサイエンスに統合されている.その他に,大学教育・研究現場での有人宇宙システム開発の利用について米国の例を紹介している.

詳細については学会誌をご覧ください.
 
はじめての宇宙工学 森北出版
第一工業大教授 鈴木弘一/著
菊判・168頁・定価2520円
ISBN978-4-627-69071-4(ISBN4-627-69071-1) C3053 2007年4月発行

この書籍の31ページ例題3.1で私の論文が使われています。

はじめての宇宙工学はじめての宇宙工学
(2007/04)
鈴木 弘一

商品詳細を見る



 

| Home |